畳には、畳縁(たたみべり)と呼ばれる部分があります。「畳の縁を踏んではいけません」なんて、小さな頃に怒られたことがある方もいるのではないでしょうか?
この記事では、畳縁の役割や色柄、そして畳縁に関連するマナーについても解説しようと思います。
畳縁とは?
畳は複数のパーツでできています。
畳縁とは、畳の表面に見えている布の部分のことです。
畳の縁の役割
畳表は、い草という植物の茎を編んで作られていて水分や汚れに弱いです。畳縁は、畳表の端を覆って摩耗や破損を防ぐためにつけられています。
また、畳の縁は、畳の表面の色と対照的な色や柄であることが多く、畳の表面の美しさを際立たせる役割もあります。そのため、畳の種類や部屋の用途によって色や柄を選びます。
例えば、茶室の畳縁は黒や紺などの落ち着いた色で、無地や細かい模様が多く、格式の高さを表します。
一方、子供部屋の畳縁は、赤や緑などの明るい色、花や動物などの模様が選ばれることもあり、楽しさやかわいらしさを表現することもできます。
畳縁の色やデザイン
畳縁は、色やデザインが豊富です。
例えば、春には桜や梅などの花柄の畳の縁を使って春の訪れを感じることができます。秋には紅葉や菊などの花柄の畳の縁を使って秋の風情を楽しむことができます。
畳縁は、通販でも購入することができます。
実は、ハンドメイドの素材として使われることもあるんですよ。
ハリがあるしっかりた布なので、和装の髪飾りを作ったり、ポーチの素材のして使ったり、ろいろな作品作りが楽しめます。
畳の縁を踏んではいけないのはなぜ?
畳縁を踏むのは、日本の伝統的なマナーとして失礼な行為とされています。
その理由ですが、畳の縁を踏むと、畳の縁が傷んだり畳の表面がずれたりする可能性があるからです。また、畳の縁は、畳の表面の美しさを引き立てる役割があるため、畳の縁を踏むと、畳の表面の価値を下げるという意味にもなります。
さらに、畳の縁は境界線を示す役割もあります。
例えば、茶室では、畳の縁に沿って座ることが礼儀とされています。畳の縁を踏むと、茶室の空間や雰囲気を乱すという意味にもなります。
そのため、畳の縁を踏むのは、畳や部屋に対する敬意がないという印象を与えるので避けるべき行為なのです。
畳の縁の色についての補足
畳の縁の色柄は、部屋の印象や気分に大きな影響を与えます。さまざまな色や柄がありますが、代表的なものをいくつか紹介します。
黒色の縁
黒縁は、茶室や格式の高い部屋に使われることが多いです。
畳の表面の色とのコントラストが強く、畳の美しさを際立たせます。黒縁は、無地や細かい模様が多く、シンプルで落ち着いた雰囲気を作ります。
赤色の縁
赤縁は、寝室や子供部屋に使われることが多いです。赤縁は、明るく華やかな色で、部屋に活気や温かみを与えます。
花や動物などの大きな模様が多く、楽しさやかわいらしさを表します。赤縁は、幸運や祝福を意味する色でもあります。
緑色の縁
緑縁は、和室やリビングに使われることが多いです。緑縁は、自然や植物をイメージさせる色で、部屋に癒しや安らぎを与えます。緑縁は、季節に合わせて変えることができます。例えば、春には若草や新緑の緑縁を使って、春の息吹を感じることができます。夏には深緑や青緑の緑縁を使って、夏の涼しさを感じることができます。
その他の色柄
上記の色柄以外にも、畳の縁にはさまざまな色柄があります。
例えば、白縁は、清潔感や清楚さを表します。紫縁は、高貴さや優雅さを表します。黄縁は、明るさや知性を表します。
また、畳の縁には、幾何学的な模様や伝統的な文様などもあります。例えば、市松模様は、平和や調和を表します。七宝模様は、繁栄を表します。麻の葉模様は、成長を表します。
この記事のまとめ
この記事では、畳縁について、その役割や色柄、マナーなどについて解説しました。畳縁は、畳の表面を保護する実用的な役割だけでなく、部屋の印象に影響を与えます。
また、日本の文化にも深く関わっています。
この記事を通じて、畳縁について理解が深まると嬉しいです。