畳とは|日本の建築の関わりから読み解く畳の歴史

畳とは 生活・日常のこと

日本の建築や文化には、畳という独自の要素が欠かせません。
畳のある家で過ごすことは、多くの日本人にとって幼少期からの記憶となっています。

かずさん
かずさん

畳のがある空間に入ると懐かしい感じがしませんか?

この記事では、畳の歴史を日本の建築との関わりから読み解きます。
畳がどのように日本の生活や文化に根付き、日本人の心をとらえてきたのかを明らかにしていきます。

畳の役割や特性、そしてその魅力を一緒に探求してみませんか?

畳の起源と発祥地

畳の起源は古代中国にあると言われています。
中国では、竹や藁などを編んで作った敷物を「席」と呼び、床や座席に敷いたり、壁に掛けたりしていました。

畳が日本に伝わったのは、奈良時代に仏教とともに渡来したと考えられています。
当時の畳は、莚(むしろ)や茣蓙(ござ)などの薄い敷物の総称で、使用しないときは畳んで部屋の隅に置いたことから、「タタミ」と呼ばれるようになりました。

現代の畳に近いものは、平安時代に登場しました。厚みが加わり、部屋に据え置いて使うようになりました。畳の大きさや縁の色は、階級によって定められていました。

畳の歴史年表と各時代の変遷

鎌倉時代から室町時代にかけて、書院造という建築様式が発展しました。
部屋の周囲に畳を敷き、真ん中を残す使い方から、部屋全体に畳を敷きつめる使い方になりました。

安土桃山時代から江戸時代にかけて、茶道の発達により、数奇屋風書院造という建築様式がみられるようになりました。

畳は茶室建築だけでなく、町家でも用いられるようになりました。しかし、一般庶民に畳が普及したのは、江戸時代中期以降で、農村部ではさらに遅く明治時代以降のことでした。

明治時代になると、畳の規制(畳縁の柄)が解かれて、一般社会に広く普及しました。畳干しをこまめにして、傷むのを防ぎ、表が焼けたら裏返しをして使うという習慣は今でも続いています。

昭和、平成になると、生活の洋風化やマンションなどの集合住宅の広がり伴い、畳の需要は減少傾向になっていきます。

ですが、その一方で、畳は多様化してインテイリア的な要素として注目を集めていきます。

畳の素材や機能も多様化しました。畳表の素材もい草以外にも、洗える畳、カラー畳、ヒノキの畳などが開発されました。また、フローリングに敷いて使用する置き畳も普及しました。

畳床の部分は伝統的には稲藁だけを使用していましたが、畳床の素材も多様化していいます。

畳の需要と普及のタイミング

畳の需要と普及のタイミングは、主に建築様式や文化の変化に影響されています。

書院造や数奇屋風書院造などの和風建築が流行した時代には、畳が床材として重要な役割を果たしました。

また、茶道や和室文化などの日本独自の文化が発展した時代にも、畳が座具や寝具として必要とされました。畳は、正座や礼儀作法などの日本の伝統を支えるものとして、日本人の生活に深く根付いています。

一方で、洋風建築や洋風生活が広まった時代には、畳の需要は減少しました。畳は、断熱性や遮音性などの機能性も持っていますが、それらの機能は外断熱や高気密などの住宅技術によって代替されることもありました。

とはいえ、畳には、日本特有の癒しの空間としての魅力もあります。
畳の色や香り、触感などは、日本人の心に安らぎを与えるものとして、今でも愛されています。畳は、日本人の生活に寄り添い変化を遂げています。

畳と日本建築

ここから先は、畳と日本建築との関係についてお話してきます。

畳と日本の建築と室内空間

畳は、日本の建築と室内空間にも大きな影響を与えてきました。畳は、部屋の大きさや形を決める基準となりました。一般的には、畳の数で部屋の広さを表現します。例えば、六畳間とは、畳が六枚敷かれた部屋のことを指します。

畳は、部屋の間仕切りにも使われました。障子や襖などの軽量で可動式の壁で部屋を仕切ることで、部屋の用途や人数に応じて空間を変化させることができました。また、畳の上には、床の間や縁側などの装飾的な要素も設けられました。

畳は、部屋の雰囲気や機能性にも影響を与えました。畳は、自然素材の「い草」や「藁」などから作られており、色や香り、触感などが人の心を癒す効果がありました。また、畳は、断熱性や遮音性などの機能性も持っており、快適な室内環境を作り出しました。

畳と茶道

畳は、茶道にも深く関わってきました。
茶道は、日本の伝統的な芸術として、茶の湯を通じて心の交流を楽しむものです。茶道は、畳の上で行われることが多く、畳の大きさや配置、縁の色などにも意味がありました。

茶道では、畳の上に茶室と呼ばれる小さな空間を作ります。茶室は、畳の数や形によって様々な種類がありますが、一般的には、四畳半や二畳などの小さなものが多く、簡素で静寂な雰囲気を持ちます。茶室には、畳の上に茶器や花などを飾ります。

この記事のまとめ

この記事では、主に畳の歴史と建築についてお話ししました。
畳は、日本人の生活に寄り添ってきたものです。

畳は、起源や発祥地、歴史年表と各時代の変遷、需要と普及のタイミングなどを通して、その歴史をたどりました。畳は、建築様式の変化に影響されて、様々なサイズや形、素材や機能に変化してきました。床材や座具や寝具としてだけでなく、空間や雰囲気を作り出すものとしても重要な役割を果たしました。

畳は、日本の伝統とともにあり、日本人の心に安らぎを与えるものとして、今でも愛されています。